命を守る平和教育を
防衛省が小中高生向け防衛白書冊子「まるわかり!日本の防衛」を拡大配布する方針だという。安全保障を学ぶことは必要だ。しかし、なぜ今、政府は子供たちにこの資料を読ませようとするのか。目的や内容、教育への影響を国民に十分説明したのだろうか。
私が最も危ぶむのは、子供たちに「誰が敵なのか」を教えることが先になり、「どうすれば平和を築けるのか」が置き去りになることだ。特定の国を脅威として強調し、軍事力や抑止力を中心に教えるだけでは、「相手は敵だから力で押さえつければいい」という発想につながりかねない。
子供たちは国家のための道具ではない。軍事力を語る前に、対話と外交によって争いを防ぐ努力を示してほしい。命を守る教育こそが、平和教育ではないか。